君と共に逝きたい-3
俺は名刺をグシャッと握りつぶし、ポイッと捨てて、園田を睨みつけた。
「こんな悪趣味な冗談信じるか!
“園田誠司”だなんて普通の名前だし、ホントただのおっさんじゃねえか!」
「……じゃあ、私の名前がミカエルとかラファエルとかなら納得するんですか?」
……それはそれでムカつく。
「と、とにかくだな! そもそも俺が死んだってのなら証拠を見せろ!
俺の死体は……芽衣子は……」
自分でその名前を口に出してからハッと我に返った。
そうだ、芽衣子! 俺は芽衣子と……!
しかし、園田は捨てられた名刺を拾い上げながら、
「ああ、有野芽衣子(ありのめいこ)さんね。彼女は無事でした。
無理心中なんてやめた方がよかったんですよ。
あなただけ無駄死にってヤツですね」
と言うだけだった。