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伊藤美弥の悩み 〜受難〜
【学園物 官能小説】

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恋人達の悩み6 〜桜、舞う〜-9

 龍之介のために、わざとはしたない音を立てる。
 
 ぢゅ……ぢゅっ……
 
「こ……こんなんで、いい?」
 少ししてから、自信なさ気に美弥は尋ねた。
『ん……もっと、いやらしい事して……』
 もっといやらしい事。
 はてそれはどんな事だと美弥はリクエストに頭を悩ませたが、ふと龍之介の愛撫を思い出してみる。
「ね……キスして」
『ん?』
「お互い……しよ?」
 僅かな沈黙が落ちた。
『耳……するよ』
 次の瞬間、向こうから音がする。
 
 ちゅっ……ぴちゃっ
 
 まるですぐ傍に龍之介がいて実際に耳を愛撫しているかのような感覚に襲われ、美弥は思わず声を漏らした。
『ほら……もっといい声、聞かせて?』
 耳元で聞こえる、セクシーな囁き声。
「っん……」
 一気に腰が痺れてしまった美弥は寝間着を脱ぎ、乳房に触れる。
 機能性とデザイン性を兼ね備えたブラジャーを、美弥は外した。
 形を崩したくないので、ブラジャーは常に着けているのだが……今は、それがやたらにもどかしい。
 ぷるんっ、とみずみずしく柔らかな膨らみが現れ出る。
「胸、触る……」
 龍之介へ告げるなり、美弥は乳房を揉んだ。
「ふっ……!」
 微かな声と共に、腰が跳ね踊る。
「っん、ん……!」
 龍之介の愛撫を思い出しながら、美弥は自分を慰め始めた。
「あ、ふぁ……!」
 
 
『ん……あ、ふ……!』
 スピーカーから聞こえる美弥の鳴き声が、熱さを増す。
 今、どんな顔をしているのか。
 今、何をしているのか。
 想像は逞しくなるばかりで、龍之介の自身を扱く手は速くなる一方だった。
 この手に、生身の美弥を抱きたい。
 熱く乱れる美弥と共に、あの高みを味わいたい。
『ん……あ、はぁ……っ!りゅうっ……あ、ああっ……!』
 切羽詰まってくる、熱い声。
「いいよ、美弥……!あっ……っ!」
 熱い塊が尿道の奥から込み上げ、脳天から背筋めがけて快感のパルスが走る。
「あ、う、うあっ……!」
 慌てて先端に蓋をすると、剛直は濃い精液をたっぷりと吐き出した。
 だが、美弥はまだ果てない。
『りゅうっ……りゅうっ……あ、あああっ!!』
 どうやらそこへ近付けたらしく、携帯がその音を拾い上げる。
『こ……の……この音っ……あぁ、りゅうぅ!』
 秘裂に指を絡ませ、名を呼びながら、美弥は果てたらしい。
 荒い息遣いが、向こうから聞こえた。
「あぁ……」
 しかるべき行為が終わるなり、龍之介は頭を抱えたくなる。
 何となく、越えてはいけない一線を越えた気がしたからだ。
「美弥……美弥?」
『……ん……?』
 とりあえず意識はあるらしく、緩慢ながらも返事はしてくれる。
「うん……大丈夫?」
『ん……』
 もそもそと、美弥の動く音がした。
『どうしよ……聞かれながら、イッちゃった……』
 聞いている龍之介の方が赤面する告白を、さらりと美弥はする。
『りゅうと、シたいよぉ……電話じゃなくて、ほんとにぃ……』
「美弥……」
 今まではそれが『当たり前』だったから、自分だけでなく美弥もつらいのだ。


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