第2章-1
第2章
開演時刻になった。
私は足枷を付けられた裸足の足でステージに出た。まだ幕は閉じられたままだったが、向こう側に客のざわめきが聞こえた。かなりの数の客が入っているようだ。そして小道具を乗せたテーブルが、いつの間にか、私が座る椅子のすぐ近くまで運ばれていた。
私は例の背の高い丸椅子に座った。そして持たされていたアイマスクを自分で装着する。革製の厚いアイマスクで、まったく何も見えず、光さえも感じなくなった。そしてキリスト教徒が祈る時のように、胸の前で手を組み合わせて待った。
それからどのくらい時間が経っただろう。いや、実際には数秒だったのかも知れない。しかし私にはこの時間が異様に長く感じられた。体がぶるぶると震え、歯はがちがちと鳴り、このまま逃げて帰りたい衝動に何度駆られたことだろうか。
やがて幕の開く気配がして、客席がしーんとなった。視覚を奪われて、私の聴覚は異様に敏感になっていた。
今、すべての客の視線が全裸の私に注がれているのだ。私は恥ずかしさも加わってますます体が震えてきた。
と、突然、
「リサ!」
「リサ!」
と喚声があちこちから起こった。どうやらリサが登場して来たようだ。鞭で床を、パシーン、パシーンと叩きながら私に近づいて来る。そのまま私の椅子の周りを二周ほど回って、リサは腕を私の首に回してきた。立てという合図だ。私は椅子から下りて床に立った。
胸の前で組み合わせていた私の手は解かれ、そのまま背中へ持って行かれた。そして縄で縛られる。リサがいつの間に鞭を縄に持ち替えたのか、目隠しされている私にはまったくわからなかった。
次に両腕といっしょに胸が縛られる。乳房を絞り出すような縛り方だ。そして上半身が亀甲縛りにされたようだ。最後にリサは一本の縄を前から股間を通して、背中でキュッと絞め上げて括った。オマンコの裂け目やお尻の割れ目に縄がぐいぐいと食い込んだ。
中学生の頃から私は縛られることに興味を持っていた。がちがちに縛られて身動きできないという拘束感に憧れていたのだ。
しかしこんなふうに実際に縛られるのはもちろん初めてだった。私はいつしか体の震えも止まり、うっとりとしていた。縛られたというよりも、縄で温かく包まれたといった感覚だったのである。
次に首輪が私の首に巻かれ、南京錠でロックされた。これで拘束は完成。いよいよプレイだ。
リサは首輪の鎖を引っ張って私を歩かせようとした。私もそれについて行こうとするのだが、足枷のため、ごく小幅でしか歩けず、リサについて行けなくて何度も転びそうになった。
と突然、リサに頭を押されて、私は床に倒された。
「おおっ!」
と言って、何人かの客が退く。どうやら私は、ステージから出て、客のいる所に倒されたようだ。
倒される際、まず膝を床につき、次に頭を床にぶつけそうになった。普通なら両手で支えるところだが、手は後ろ手に縛られていて使えない。
しかし頭をぶつける寸前、リサが首輪の鎖を引いて止めてくれた。が、そのおかげで首輪で首が絞められ、私は一瞬意識を失いそうにさえなった。
こういう格好になった私のお尻をリサが鞭で打ち始めた。