赤い唇<前編>-7
「加奈?膝上げて中腰になって?」
私は言われた通りに膝をあげた。
抜けないように腰はそのまま、両足をひろげペタリとベッドにつけたその体勢は、
あまりに恥ずかしくて、思わず隠すように体を前に倒してしまった。
「そのまま、腰を振ってみな?」
「こ、こう……ですか?」
両手両足に体重をのせ、言われるがままに腰を振る私。
膣内に突き刺さる硬い陰茎、それを軸に揺れ動く私の腰、
あからさまに互いの秘部を刺激しあうその体勢に、
恥ずかしながらも私の身体は、いつにも増して感じてしまっていた。
「すげぇ気持ちいいよ……」
「ホント?わ、私もっ んっ 凄く気持ちいいっ」
こんな姿、誰にも見せられない。
龍二さんにだって、ホントは恥ずかしくて見られたくない。
でも、気持ちよくて、あまりに気持ち良すぎて、
さっきからどんどん腰を振る動きが速まってしまっているのがわかる。
「やだっ か、身体が勝手にっ んっ 恥ずかしいっ」
そう言いながらも私は、まるでそんな私を見てと言わんばかりに、
淫らに腰を振りながら龍二さんの目をじっと見つめていた。
「男を見ながらよがるなんて……ホント変わった女だな?」
「そ、そうなの?私……おかしい?」
「いや、加奈はそれでいいよ」
「……え?」
「ずっと俺だけを見ながら気持ちよくなってればいい……」
何気ない言葉、きっと深い意味などないのだろう。
けれど、その言葉に私の胸はいっそう高鳴り、
気がつくといっそう激しく腰を振り乱しながら、いつのまにかひとり絶頂を迎えていた。