赤い唇<前編>-5
「お、おいっ 大丈夫か?」
慌てて私の手を取ると、腰を落とし、抱えるように私の身体を前に座らせる龍二さん。
なんだか不思議な感じがする。
制服姿で龍二さんの腕に抱かれているなんて、こんなのまだ夢にも見たことがない。
ようやく息が整いはじめるも、下腹部にあたる硬い刺激にどこかそわそわして落ち着かない。
龍二さんが興奮していることに喜びを感じる自分と、
はやくこれを身体に埋めたくてうずうずしてる自分とが鬩ぎ合っているのがわかった。
私はそっと顔をあげると、また、いつものように龍二さんの言葉を待った。
「なんだよ?またなにか言って欲しそうな顔してるな?」
やっぱりこの人は私をよくわかってくれている。
その通りだ、はやく私に命じて欲しい。
誘うように少し、また少しと腰を動かす私。
いつからこんなはしたない女になったのかなんて考えるまでもない。
もともと私は人より性欲が強いほうだ。
抑えつけられた環境がそれに拍車を掛けたのは否めないけれど、
それに輪を掛けて私をこんな女にしたのは──他ならぬ龍二さんだ。
「じゃぁ…… 俺も気持ちよくしてくれるか?」
そう言って私の頭を優しく撫でる龍二さん。
その合図に私はコクンと頷くと、
身体をさげ、ソファを降り、そっと龍二さんの股間へと顔を埋めていった。
ベルトをはずしジッパーをおろす龍二さん。
グレーのボクサーパンツは、すでにはち切れんばかりに膨らんでいる。
私はそっと両手でズボンを脱がせると、
ゆっくりと下着越しに右手でそれを撫であげていった。
太くて長い竿、陰嚢は私の手には収まりきらない。
こんな大きなのが私の身体にはいるなんて、いまでも不思議でたまらない。
けれど、そのよさを知ってからというもの、恥ずかしいかな愛しくてたまらないのだ。
相変わらず私の頭を撫でたままの龍二さん。
そっと見上げて目を見つめると、促すようにコクンと首が縦に揺れた。
両手を龍二さんの腰にかけ、そっと下着をおろしていく私。
跳ねるように飛び出すその様は、いつもながら驚かされてしまう。
「なんか…… ちょっと恥ずかしいな」
そう言って照れる龍二さんの顔が私の胸をキュンと締め付ける。
急にそんな顔するなんて反則だ。
ただでさえ心臓の音がうるさくて困っているのに、
何をしても駄目、何をされても駄目、
龍二さんの前だと私は、名実ともに裸にされる。