赤い唇<前編>-4
ゆっくりと私の下着をおろしはじめる龍二さん。
おしりが外気にふれるや、すぐさま熱い舌先がそこを責めはじめた。
「あっ んんっ だめぇっ き、きたないですからっ」
「んなことねぇよ?こんな綺麗なケツいままでみたことねぇぞ?」
嬉しい反面、他の誰かと比べられた気がして少しだけ心が沈んだ。
別に私は龍二さんにとって特別なわけじゃない。
恋人でもなければそれ以上でもそれ以下でもないのだ。
幸い龍二さんにはいま特定の女性はいないみたいだけれど、
だからといってそこに私が座れるかというと──それはまた別問題だろう。
救いがあるのかなんて考えてもしかたがない。
こんな私を抱いてもらえるだけでも、充分に私は幸せだと思えるのだから……
「あ、やっ んんっ はぁっ……」
「どうした?随分と感じてるみたいじゃないか?」
「んっ だって…… あぁっ」
「いつか、こっちにも挿れてやるからな」
そう言って笑う龍二さんは、なんだかとてもエッチな顔をしていた。
それを見て心の中で少し喜んだ私もまた、相当にエッチな女なんだろう。
だって龍二さんが欲するなら、それで龍二さんを繋ぎ止めておけるのなら、
多分どこだろうと私は喜んで差し出す。
それほどまでに私は龍二さんと離れたくない。
ゆっくりと龍二さんの指が膣内に挿入される。
痛みを感じていたのが不思議なくらい、
いまは挿れられるだけでビクビクと膣内が蠢き喜んでいるのがわかる。
「あっ んんんっ」
まるで溢れる蜜を掻き出すように、龍二さんの指が激しく膣内を掻き回した。
グチュグチュと卑猥な音。
この蜜が私の想いだと言うなら、きっと絶え間なく溢れ続けることだろう。
「あ、だめっ そんな激しく動かしたらっ」
こうして龍二さんにされていると時々不思議に思う。
私の沸点は異常に低いのではないのかと。
だって、ひとりでしてる時はあんなにも堪え忍べるくせに、
龍二さんに触られていると、それだけで驚くほど早く快楽が駆け上ってしまうのだ。
「もうイキそうなのか?ケツの穴がすげぇ締まってきてるぜ?」
どうしてこの人は、こんなにも私を辱めることが出来るのだろう。
デリカシーとか空気が読めないとかじゃない、
明らかにわざと私を卑猥な言葉で責め立てているのがわかる。
でも、それがまた私の興奮を掻き立てているのも事実。
いつの間にか龍二さんに嬲られ、辱められてこそ得られる快楽が、
すっかりクセになってしまっているみたいだ。
「…………やぁっ い、イクっ!」
龍二さんにおしりをむけたまま、あっという間に絶頂を迎えてしまう私。
身体の力が一気に抜け落ち、至るとこから汗が噴き出してくるのがわかる。
ガクンと膝が折れ曲がるや、私の身体はソファの上へと力無く倒れ落ちていった。