序章-19
一方、伝一郎の心は喜びに打ち震えていた。
少年にとっての目交わいとは「大好きな母さまと一つになる」事であり、それがいよいよ成就されるのだ。
「母さま……ああ……」
「んっ……うっ……」
未だ、充分に濡れてい無い肉壁を押し広げ、亀頭は更に奥へと分け入って行く。
肉壁が擦られる度に菊代は、苦しげな表情で喘ぎ、その光景を下から見上げる伝一郎には、母親がとても淫らに映った。
「はあ……んっ……」
陰茎が根元まで蜜壺に呑み込まれ、母子はようやく一つと成れたが、菊代は未だ、疼いて身動きが取れ無い。
「……ち、ちょっと待って」
痛みから逃れたく、わが子に覆い被さる体勢を採った。すると伝一郎は、背中に両手を回して来た。
「ずっと……ずっと母さまとこうしてたい」
「伝一郎……」
強く抱きしめられ、耳許で切ない程の想いを囁かれた時、菊代の身と心は一体となり、愛液を溢れさせた。
「……ふう……んっ」
菊代の身体が、ゆっくりと前後し始める。蜜壺の中の陰茎が滑りを帯て花弁から顔を出し、また蜜壺へと呑み込まれて行く。
動きの中で菊代は固く目を閉じ、鋭敏になった感覚に集中した。絶えて久しかった悦びが再び目を覚まし、総毛立つ程の快感が身体中を駆け廻る。
「あっ!……っく!」
「……っんん!」
ようやく動きも馴染みだし、いざ本番という間際で、伝一郎はあっさりと果ててしまった。初めてと言うのも勿論だが、母親との情交という特異な状況が、気持ちを更に昂らせていた。
「ふっ……うん……」
わが子の熱い迸りを膣内に受けた菊代は、暫く余韻に浸っていたが、やがて気だるげに身を起こした。
蜜壺から陰茎がずるりと離れた途端、精液が秘裂を溢れ、内腿へと伝い流れる。
「……どうだった?女とするのは」
菊代は伝一郎に訊いた。見詰める眼は母親でなく、女の眼であった。
「すごい……男と女の間に、こんな世界が有るなんて……」
答える伝一郎は、何故か泣いていた。
「……もっと知りたい?」
「うん……」
母子は再び、口唇を重ね合わせる。最初とは違う、欲望を剥き出しにして貪り、舌を絡ませた。
「……っんあ!あっ!……あっ!んくっ!……」
粘液が掻き回され、互いの性器が音を立てて激しく打ち合う。溢れる蜜壺を、陰茎が止めども無く衝き抉る。
菊代は大きく股を広げ、わが子に蹂躙される快感に酔いしれ、伝一郎は覆い被さって、夢中で母親を犯した。