序章-17
「か、母さま……」
「ああ……ひんっ!あっ」
疼痛に顔を歪め、押し寄せる快感から逃れようと身を捩る母親の乱れ様を見て、伝一郎はいつしか心を増長させ、さらに執拗な責めを与え続けた。
菊代の全身は熱を帯び、頭の中で幾度となく火花が迸る。今や鋭敏な感覚を持つに至った身体が受ける、目眩く悦びの中で、初めての情交を思い出していた。
「母さま……もう……」
懇願の言葉。伝一郎は次を望んでいた。陰茎が褌の上から判る程に強く主張していた。
母親の乱れた様相を五感で感じ取り、抑え難い程の情欲を募らせている。
「こっちにいらっしゃい……」
苦しげな声を耳にして、菊代は熱情の目眩ましから覚めた。
身を起こし、わが子から最後の一枚をゆっくりと剥ぎ取った。目の当たりにした陰茎は痛々しいほど腫れあがり、怒張した血管が浮かび上がっていた。
「もう、大人ね……」
包皮のむけた亀頭は、その存在を主張するかのように笠を広げ、先端から透明な粘液を滴らせている。
菊代は、息子の陰茎をいとおしげに見つめた後、躊躇うことなく喉奥まで呑み込んだ。
「はっ!か、母さま」
思いがけない出来事に、伝一郎は面喰らった。
排泄を伴う器官を口に咥えるという行為への驚きと、陰茎を通して伝わる温もりと圧迫という稀有の感触に。
前後する母の口許から見る自分の物は、唾液によってぬらぬらと艶めき、得もいわれぬ淫隈さを感じさせた。
「あっ!くあっ!」
行為の特異さによって昂りは最高潮へと押し上げられ、伝一郎の魂を一気に放出させた。
「……っんん!」
短い呻きと共に、菊代はわが子が幾度となく発する熱い精液の全てを、喉奥で受け止めた。
「こ、こんなこと……みんなするの?」
自慰と比較にならない放出感の中で、伝一郎は途切れそうな思考で問いかける。
「……そうよ……お互いが……相手の大事なところを……舐め合うのよ……」
そう答える菊代の舌が、陰茎を愛しげに舐める。全身は更に赤みを増し、見上げる瞳は忘我となって“男”を見つめる眼へと変貌した。
「今度は……あなたの番よ……」
菊代は寝衣を脱いだ。再び見る母親の裸に、伝一郎の目は釘付けとなった。
豊満な乳房。なまめかしい括れから程よく肉付いた腰まわりへの曲線は、艶やかだ。
白い肌はしっとりと汗ばんでいる。
「うああ……」
目の前に、汗で濡れた恥丘の膨らみと薄い恥毛が現れた。
伝一郎は触れたい衝動を抑えつつ、太腿から膝、ふくらはぎ、足首と、剥き出しになった肢体を舐める様に視姦した。
「見て……」
菊代は布団に仰向けとなり、両膝を立てると、股を広げてわが子の前に秘裂を晒した。
興奮によって口は既に開らかれ、蜜壺から蜜が溢れていた。