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ピトッ
「ふぁっ!?」
頬に冷たいものが当てられ、変な声を出してしまった。
それを当てた犯人は。
「いい加減やめてよ真樹!」
犯人…藍田真樹は腹を抱えて笑っている。
「どうも、すみませんでしゅた。」
「全然反省してないじゃんかー。結構冷たいんだよ?これ。」
「ごめんって。いいじゃん買ってきたんだから。」
「はぁ…ありがと。」
真樹はいつでもいい加減だ。
でも、とてもかわいい顔をしていて、背が高くて
性格もいいことから、今まで付き合ってきた人も多い。
真樹は、私の隣に腰を下ろした。
「そういえば、金井君とはあれからどうなったの?」
「あー。智史ね。特に変わりは無いけど。」
金井 智史とは、私の彼氏。
スポーツ万能なわけでもなく、かっこいいわけでもない。
普通の男の人だ。
「てか、なんで今回は金井君なのよ。」
{なんか、私がいっぱい付き合ったことあるみたいに言うなぁ。}
「でもさ、今まで付き合ったのって、全部かっこいいし、人気ある人じゃん。金井君って悪いけど、そういう人じゃないよね?」
「まぁそうだけどさ。一緒にいると、落ち着くし。楽しいし?」
「あっ。そういえばさ、依田幸祐ってしってる?」
「知らない。誰?それ。」
「一週間くらい前からこの大学来てて、めっちゃ女子から人気らしいよ?顔かっこいいし、スタイルいいし。引っ越してきたんだって。」
「へぇー。幸祐か…。」
幸祐ってまさかあの幸祐じゃないよね。
そういえば、私幸祐の名字知らないんだよなぁ。