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黒の他人
【ラブコメ 官能小説】

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黒の他人<後篇>-5

「……加奈? 加奈っ!?」

「ひゃいっ!」

「も、もういいぞ?あんま擦られてると痛くなっちまうから……」

「はわっ す、すいませんっ」

俺にそう言われ慌てて手の動きを止める加奈。
その目はお腹に出された精液にすっかり釘付けになっている。

「なんだよ?そんなに珍しいか?」

「は、はい……」

いや、そりゃそうか?
こうして精液を目の当たりにするなんてきっと初めての事だろう。
ましてや射精の瞬間まで見てしまったのだから、そりゃ驚くのも無理はない。

俺はティッシュを手に取ると、そっと加奈のお腹を拭きはじめた。
生暖かい自分の精液に触れるのはあまり気分のいいものではないが致し方ない。

「おい?もう手を離してもいいぞ? ……加奈?」

呆然とした状態で、いまだ不思議そうに手の平を何度も握り返している加奈。
すっかり感覚の鈍った俺は、それに痛さも気持ちよさも感じない。

「……悪いがそう簡単には復活しねぇぞ?」

「ち、違っ そういうつもりじゃっ」

慌てて体を起き上がらせる加奈と入れ替わるように俺はベッドに身体を横倒した。

「お、お疲れさまです……」

「お、おお…… お疲れさん?」

お疲れさまってなんだよ。どこまでいっても調子が狂うヤツだ。

「その…… このあと私はどうすれば……」

加奈は右手で胸元を隠しながら、突然またそんなわけのわからない事を言いだした。
知らねぇよ!終わったあとどうすればいいかなんて誰も知らねぇし決まりなんてありゃしねぇ!
俺は加奈の手を握ると、胸元へと勢いよくその身体を引き寄せた。

「きゃっ!」

「ったく、黙ってここで寝てればいいんじゃねぇか?」

やっぱりこの女はちょっと面倒臭い
──なんて思いながらも俺は、そんな加奈の身体を抱きしめながら優しく唇を重ねていた。


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