研究企画-1
人間の遺伝子は4つのT字が組み合わさって2重螺旋で構成されている。
人間の作ったコンピュータは0と1の羅列でできている。
0と1の2次元のコンピュータで4次元の人間の遺伝子を解明するには途方もない計算が必要なのだ。
とはいえ、遺伝子のほとんどは人間を形成する情報が占めていて、
生まれて育った人には、必要無い部分が多い。
その一部を受信機として改造し活用したらどうだろう。
そう考えた私はDNAの入り口に近い電気信号を受け取る部分のプログラムを受信機に変える事に成功した。
最初は破壊命令で試す。
送信情報を受け取った細胞は直ちに死滅していった。
成功したけど、細胞の1つづつを遺伝子組み換えしないといけない、
人間の細胞全てを組み替えるのは到底無理なはなしだ。
分裂で増やして人を作るとなると、形成する情報を書き換えてるから人間にはならないだ。
そこで、ウイルスを利用する事にした。
特定の遺伝子だけを変えられるウイルスを使うと隣り合う細胞同士が変わる。
ネズミで実験すると1日で書き変わった。
さっそく破壊命令を送ったら、死んでしまい、箱の中では目視出来ない事になっていた。
目的は破壊ではない。
人を操るためには命令言語が必要だ、どの信号がどう動くか分からない、
でも、受信者と送信者が同じ生体なら電器信号を共有するだけでいい。
受信の逆で送信するDNAを作り、ためしに2匹マウスの尻尾を合わせると、二匹は全く同じ動きをした。
「できた……」
早速、人で試して見よう。
送信は当然、私自信、ウイルスを体に貼り付けたまま生活する。
何も変わった気がしない。
受信するウイルスは、私が講師している大学の学生で、真面目な石田さんにしようと思う。
何かあっても大事にしない感じだ。
そして、彼女にウイルスを付けるのは簡単だった。