第一章-2
その日からそのビルに行くのが雄太の日課になった。
しかしあまり長い時間中に籠もっていると怪しまれると思い一人か二人だけ覗くとすぐに帰るようにした。
もうこれまで何人も、様々な年齢や容姿、そして様々な色や形の女性器を覗いたが一度も見つかる事も無く雄太は幸運な時間を過ごしていた。
一番最初に覗いた綺麗な店員はいつも同じ時間にトイレに来る事がわかり何日も続けて覗くのに成功した。
時には生理で大量の赤黒い血液を垂れ流している所や腹の調子が悪いらしく水のような下利便が滝のように勢いよく溢れ出る所まで見る事が出来た。
ある時から雄太は携帯電話で、動画でその様子を録画までするようになった。
そしてトイレから出て行った店員の後をつけて店を調べ名札を確認してその動画のタイトルに日付と名前を記録してコレクションにした。
その日も雄太はいつものように携帯を持ち個室の中で獲物が来るのを待ち構えていた。
しばらくすると女性特有の足音が聞こえてきて二十代前半から中盤位の清楚なOL風といった感じの女性が入ってきた。
(よし、ツイてるぞ、タイトルは清楚なお姉さんにしよう)
そんな事を考えている男が個室の中から狙っている事など全く知らない女性はすぐに隣の個室に入り鍵をしめた。
雄太は急いで携帯を録画開始して壁の隙間にセッティングしながら自分も直接見るために四つん這いになった。
すぐに女性はしゃがみ込んで雄太の目の前に真っ白なお尻が現れる。
しかし清楚な外見からは想像出来ない程の剛毛に覆われ、肝心の女性器がよく見えなかった。
雄太は目を凝らして見ているとその剛毛の中心から勢いの無い尿がチョロチョロと流れ出し、見る見るうちに陰毛をビショビショに濡らしていった。
(うおぉ…すげぇ、あんなに清楚そうな人なのに……)
そんな事を思っていたその瞬間、ドンッと思い切り壁を叩く音がトイレの中に響き渡り、その音に驚いた雄太は思わず後ろにのけぞってトイレの床に尻餅をついてしまった。
雄太はマズい、逃げなきゃと思い急いで立ち上がり外に出ようとした。
しかしそれより先に隣の個室のドアが開き
「ちょっと、出てきなさい!」
と強い口調で雄太のいる個室のドアがドンドンと叩かれた。
急な展開に雄太はどうしていいかわからず閉じこもっていると
「誰か人を呼ぶわよ、早く出てきなさい」
と言われ仕方無く素直にドアを開けた。
そこにはさっきまで清楚な感じだった女性が鬼のような形相で雄太を睨み付けて立っていた。
「何?あなた高校生?若いのに何やってるのよ」
「すっ、すいません、許して下さい」
「許す訳ないでしょ、ビデオまで撮ってたの知ってるんだからね」
「あの、すぐに消しますから」
「駄目っ、ちょっと一緒に来なさい」
「そんな、すいません、すいません」
「うるさいわね、こんな所でいつまでも話してたら誰か来ちゃうわよ、困るのはあなたでしょ」
「いや、でも……」
「とりあえず警察には行かないであげるから、早くついてきなさい」
簡単には許してくれるとは思わなかったがとりあえず警察には行かないという彼女の言葉を信じて、雄太は黙ってついていくしかなかった。