そこにある愛-18
「だって、一緒にいて楽しくて、趣味が合って、気が置けない奴、恋人になったらもったいねえだろ?」
気の置けないってのはさておき、一緒にいて楽しいのと趣味が合うってのには反論したかったけど、ひとまず黙ってみた。
「だって、俺はこんなだし、きっと恋人になったらいつか振られて他人より遠い関係になっちゃうかもしれないしな。
その点、友達なら“別れ”が無い」
「…………」
「お前はさ、男と見ればすぐ恋愛対象で判断してきたから、男と女の友情なんて有り得ないって思っていただろ?
その点俺なら完璧にお前の恋愛対象外だからこうやってバカ言い合えてきたんだと思う。
まあ、それは俺も同じだったから、きっと友情が成立していたんだよ」
「遠回しにあたしをブスって言ってる」
泣きはらした顔で思いっきり元気を睨みつけるけど、コイツはカラカラ笑うだけ。
「お前だって、散々俺のことバカにしてきたじゃん。
まあ俺は大人だから、ブスの戯れ言ぐらいにしか思わなかったけど」
「ひっど……!」
またあたしの頭に血がのぼりかけた。