1時間目-2
「あ。高校生。来てたんだ?」
学校が終わって家には帰らず、弥生ちゃんの家に合鍵で入り込んだ。
嫌々ながらも宿題を片付けちまおうと
弥生ちゃんが帰ってくる前に教科書をスクバから取り出す。
7時を過ぎた頃、弥生ちゃんが帰ってきてそのセリフ。
彼氏に向かって「高校生」はないと思うよ。弥生ちゃん・・・
「遅かったね飯田先生」
俺も負けずにイヤミで先生なんて呼んでみる。
「ごめん。数学科で会議だった。夕飯なにか取る?」
「俺、コンビニ弁当買ってきた」
「お!嬉しい!高校生、ありがと」
彼女の手作り料理を食べたいと思うけど
彼女だって働いている。
無茶を言っちゃいけない。
土日は俺が作る方が多い。
だって弥生ちゃん、女子力低いんだもん。
料理も苦手なら掃除もね。
仕事ばっかで平日は俺が会いに来ないと
会いたいなんて言われたことはない。
俺とドッコイの身長は172センチもある。
カワイイよりカッコイイが似合う弥生ちゃん。
でも俺はそんな彼女に惚れ込んでます。