幼なじみ-1
君が俺の家の隣に引っ越して来たときは、俺は7歳、君は5歳。
泣き虫で、どうしよもないガキだったな。
俺は、君を公園に連れてって砂場で遊んだり、ブランコなんかしたり、時には家で一緒にトランプした事もあったな。
朝、俺が小学校に行こうとする時は毎朝
「お兄ちゃん、いってらっしゃい!」と無邪気に言ったよな。俺も、「早く行かないと幼稚園遅れるぞ」って。
あれから10年が経って…
君は『泣き虫でどうしよもないガキ』から、女子高生になった。俺は、君を見ると何か恥ずかしくて、わざと会わないようにしたり、玄関で会った時は何か足が速く動いて、君から俺の距離を遠くしてしまっている。
こんな行動をしてしまう俺だけど、ホントは君が綺麗になった姿をこの目でしっかりと見たい。でも、眩しすぎて俺は君が見えない。10年前に俺と遊んだ時のその笑顔は、もう見れないのか…。
幼なじみの俺達だけど、恋人になれる日はあるのだろうか…?
君の澄んだ笑顔をもう一度…、
(Fin.)