第六話(行為なし)-2
僕が下で母さんと話している隙に押し入れ漁られたっていうのかー!
こんちくしょー!
「これはアダルトゲームというやつなんだろう?」
「さ、さぁ?」
「違うのか?」
「違うんじゃないですか?」
大丈夫だ上手く誤魔化せる。
「では今からやってみよう」
「なん…だと」
香澄さんは言うが早いかパソコンを起動させた。
そして僕は大変なことに気がついた。パソコンのトップ画オタク時代のまま変えてねぇぇぇ!?
しかも普通の画像ならともかく、よりによってエロゲ(さらに言えば香澄さんが手に持ってるのと同じ)のHシーンのやつにしていたよな!?
「…………」
トップが表示され、香澄さんはそこに映るHなトップ画像を無言で凝視していた。
「あ、あーきっと直也兄さんの仕業だなー(棒読み)」
「竜はオタクなのだな…」
ぐさっ!
僕は膝に顔を埋める。香澄さんと目を合わせられない。
「フィギュアもいっぱいあったし、他にもアダルトゲームがあった」
それらは全部段ボールに入れて押し入れの奥に突っ込んでたはずなんですけどぉぉぉ!?
「も、元ですよ元!今は卒業したんです!」
「では捨てればいいじゃないか」
痛いところを突かれた。
でも中々捨てられないんだよね…。
「その、香澄さんは、僕がオタクだと、イヤ…ですか?」
「…別に構わない。今思えば、竜がオタクだから私と出会えたのかもしれないしな」
「?」
中学の入学式の時の話だろうか。僕は未だに思い出せないが、そのときに香澄さんと会って色々話したみたいなんだよな。
「問題なのは竜がオタクだということではない」
「じゃあ…」
「竜が私以外の女の子をおかずにしていたことだ!」
「え、そんなこと?」
「そんなことではない。私という彼女がいながら、ゲームの女の子に欲情していたのだろう!?」
「違いますよ。それは中学まで。高校に入学してからは香澄さんしかおかずにしていません」
僕は事実を述べた。
「そうか…ならいい」
あっさり許されちゃったよ。それでいいのか?