第二話(行為あり/本番なし)-1
「キス…してもいいですか…?」
「……ああ」
先輩は瞳を閉じる。
頬が赤らんでいるように見えるし、本当にドキドキしているみたいだ。
ごくり、と息をのみ先輩の両肩に手を置く。
びく、と体を強張らせる先輩。
唇と唇を軽く触れあわせ、長いようで短い間そうしていた。
「………」
やがて僕は唇を離し、先輩と見つめあう。
「私の…ファーストキス、だからな」
「え、でも前に彼氏いたんじゃ…?」
「付き合ったその日に別れたんだ。そいつとは手すら繋いでない」
「あ……」
ほっとした。
彼氏がいたというから色々と経験済みなのかと勝手に思っていたが、キスどころか手も握っていないとなると、Hなんかもしていないのだろう。
……していないはずだ。
「ところで大谷…いや、竜一郎」
先輩に名前を呼ばれた。すごくむずがゆい。
「な、なんですか?先輩」
「どうして、大きく…してるんだ…?」
先輩の視線は僕の股間に向けられていた。勃起した僕のムスコにな!
「ごめんなさい…先輩が可愛くてつい…」
「謝るな。責めているわけじゃないんだ」
「はい…」
すごく恥ずかしい。やましいことをしている気分だ。ただの生理現象なのに。
「すーはー…すーはー…」
「?」
先輩は突然深呼吸を始めた…と思ったら膝をついて屈み、僕の股間を凝視してきた。
「あの、見られると恥ずかしいんですけど…」
「私だって恥ずかしい」
そう言うと先輩はズボンのベルトを外そうと…えぇぇ!?
「なな、なにしてるんですか!?」
「いいから黙ってろ」
「いやー!先輩に襲われるー!」
「バカ、騒ぐな。見つかったらどうする」
「うぅ…」
先輩は苦戦しながらもなんとかベルトを外し、ホックとチャックを紐解いて僕はズボンを下ろされた。
「ぱ、パンツも下ろすんですか?」
「当然だ」
さようなら僕の純潔。もうお嫁にいけない。
なんて考えている間に無残にも下ろされる僕のパンツ。露になるムスコ。
「お、おぉ…これが君のおちんちんか」
「っ〜!」
さらりと『おちんちん』って言った!そういうのに抵抗ないのかな。