交尾タイム-7
フロントで手続きを済ませて、二人はエレベーターに乗り込んだ。そして7階で降りた。
「702号室。こっちだね。」真雪が龍の手を引いて廊下を早足で歩いた。
「真雪、何急いでるの?」
「早く龍と二人きりになりたいの。」
真雪はカード型のルームキーを差し込んで、ドアを開けた。
「意外に広いね。」龍がバッグをベッドの上に置きながら、部屋の中を見回した。
「ツインルームは、他のホテルより広めなんだって。パパが言ってた。」
「ケニー叔父さんに朝からお礼言うの忘れてた。このホテル代、持ってくれたの叔父さんなんでしょ?」
「あたしたちが去年のイブの日にどこにも出かけられなかったから、って。留守番してたご褒美なんだって。」
「ありがたいね。」
「こんなホテルで良かった?」
「え?」
真雪が龍の耳に口を寄せて小さく言った。「ラブホテルとか・・・・。」
龍は真っ赤になった。「そ、そんなとこ行けないでしょ。」
「でも、夜に龍とやることは同じじゃない。」
もじもじしながら龍は真雪を上目遣いで見た。「も、もうちょっと大きくなってから・・・・。」
「あははは!もう十分おっきいじゃん。精神的にはまだ純情な少年だけど。」
真雪は龍の両手を取って楽しそうに左右に揺さぶった。
「こ、ここにはダブルベッドの部屋なんてないの?」
「龍とあたしは男性と女性。ダブルの部屋なんて、夫婦でもないかぎり提供してくれないよ。」
「そんなもんなの?」
「ダブルベッドっていうことは、二人が一緒に寝る、ってことじゃない。何もない普通のいとこ同士だと、それは不自然でしょ?特に男女だし。」
「なるほど。」龍は笑った。「早く結婚したいね。」
「堂々とダブルベッドの部屋を使いたいよね。」真雪も微笑んだ。「っていうか、」
真雪が突然龍の目を見つめたので、龍は焦って背筋を伸ばした。
「あたし、早く龍とラブホテルで愛し合いたい・・・・。」
龍は何も言わずに真雪の手をまたぎゅっと握りしめた。