あの頃出来なかったこと-10
「やっと見れた、恵のここ」
「……や……」
「ずっと見たかった。ずっと触れたかった。……ずっと抱きたかった」
「ああんっ……！」
ゆっくり泉の中に舌を埋められると、声が上擦り、背中が仰け反った。
優真先輩の舌は意志を持った生き物のようにあたしの中を這いずり回る。
ピチャピチャと水の粘る音は本当にイヤらしくて、時折りあたしの反応を伺うように上目遣いで見つめる視線をまともに見ることは出来なかった。
「あっ、ああっ、あっ……あん」
ひたすらに声をあげていく内に、自分がどこにいるのかわからなくなっていく。
内側から淫液がどんどん溢れてくる。
甘く激しい責めは、次第にあたしを狂わせていった。
「恵……、すごく可愛いよ……」
さんざんあたしの秘所を蹂躙したその舌を、今度はあたしの舌に絡めてくる。
「……んんっ」
優真先輩のキスは、今までの時間を埋めるように、忙しなく激しくなってくる。
こんなにもあたしを求めてくれるなんて――。
優真先輩の思いが舌から、指から伝わってくる。
彼の皮膚の一部が当たった場所が熱を持ち、甘い痺れとなる。
下腹部にあたるジーンズ越しのそれは、すでに固く熱くなっていて、あたしはそこに手を伸ばした。
「恵……」
「先輩、あたしだけ裸なんて恥ずかしいです……」
「あ、そうだな……ごめん」
身体を起こしてカチャカチャベルトを外す様子をじっとながめる。
ゆっくりジーンズを下ろした先に待っていたのは、優真先輩の欲望の権化だ。
色素が沈着して少し赤黒くなっていた優真先輩のぺニスを見て、あたしは思わず喉を鳴らしてしまった。
「見て。恵の感じてる姿が可愛いから、もうこんなになっちゃった」
「やだ……そんなこと言わないで下さい」
「何で？ 本当のことなのに。感じてる顔とか声とか、すごく色っぽかったよ？ ……もっともっと鳴かせたくなる」
そう言われると、次はどんな快楽が待っているのかをつい期待してしまい、カッと顔が熱くなる。
あたしの隣に横になった優真先輩は、そんなあたしの耳元で、
「恵のお尻、こっちに向けて」
と、そっと囁いた。