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早々に学校を抜け出した三人は、担任から預かっていた複数枚の書類と課題、適当なお菓子を携えて誠の病院に向かった。
途中で花まで買い、当初の予定以上にお見舞いらしくなってしまった事を、病室を前にしてから恥じた。
て「502号室、照屋誠.....」
あ「なんか、緊張するね...」
て「あぁ....」
あ「こういう時って....どんな感じで行くもんなんだろ...」
鉄弥と暁生が立ち往生している様を見かねて、ノックも無しにドアを開けた元。
は「まっちゃーん!いるかー!」
あ「ちょ...でかい声出すなよ...!」
流れで病室に入ったが、ベッドは空だった。
開け放たれた窓から、心地よい風が入り込む。
て「あれ、いなくね?」
あ「病室合ってるよね?」
は「あいつ...窓から落ちたとかじゃねーよな」
元は冗談で言ったつもりだったが、他の二人の顔は青くなっていた。
それを見た元も、自分の発言ながた血の気が引いた。
て&あ&は「...まっちゃん!!」
三人は血相を変えて窓に駆け寄り、見渡した。
しかしどこにも誠は見当たらない。
あ「まっちゃん.....」
て「もしかして....回収された後とか.....」
は「おい....縁起でもねぇこと抜かすな....」
て「お前が最初に言ったんだろ....」
窓際で呆然としていると、三人の背中側から聞き慣れた声がした。