投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

246
【青春 恋愛小説】

246の最初へ 246 41 246 43 246の最後へ

7-3

その後絢は真紀と何かを話していたが、すぐに別れて着いて来た。

用具室は運動部が使用している為に基本的に扉は開いている。
それを知っていた木下達は先に絢を中に入れ、その後自分たちも入り、扉を閉めた。

この時、高畠が後手に扉をロックしたことに気付いたが、告白以外の行為にいたるつもりはなかったので気にも留めなかった。
扉側に木下と高畠、壁側に絢という構図になり、木下は告白をした。

絢は間を置いて「ごめんなさいと」と告げた。

振られる覚悟もしていた木下は絢の言葉を受け入れつつも、自分にはまだチャンスがあるのかと聞いた。

絢は再び「ごめんなさい」と告げ、続けて「好きな人がいるから」と言われた。

そこまで言われ、木下は完全に諦めて引き下がろうとした。

その時、高畠が強い口調で言った。
「お前木下の何が分かるんだ、木下がどんな思いで告白したと思ってるんだ」と。

絢は高畠に臆せず「そもそもあんたは関係ないでしょ。出てって」と言うと、高畠も熱くなって口論になった。
木下は高畠を止めようとしたが、口論の末に絢の顔を殴り、驚いた木下は止められなくなった。

絢は衝撃で金属棚にぶつかり、ぐったりした。

木下もこのままでは危険だと思い高畠にやめるように言ったが、
「お前振られてこのままでいいのか。それにこいつ、二年に兄ちゃんがいるってだけでデカイ顔し過ぎでムカつくんだよ」と凄まれ、逆らえなくなった。

高畠は、ぐったりした絢の胸元を掴んで立たせ、棚に押し付けた。
絢は抵抗したが再び殴られ、泣き出した。

木下は言われるがままに絢の手を押さえつけた。

高畠は絢のブラウスを強引に剥ぎ取る。
絢は大きな声で「やめて」と訴えた。

「でかい声出すとどうなっても知らないぞ」と言いながら高畠は携帯を取り出し、下着まではだけた絢の姿をカメラで複数枚撮影した。

直後、物凄い音と共に鍵ごと扉が吹き飛び、知らない男・誠が立っていた。

絢の顔を確認した誠はまず高畠を殴りつけ、高畠はもの凄い勢いで倒れた。

木下は恐くなって逃げようとしたが、すぐに誠に捕まり、馬乗りの状態でかなり殴られた。

意識が朦朧としていたが、誠が絢を懐抱するのを見て安心した。

その時、誠の後ろ側に倒れていた高畠がゆっくりと起き上がり、スラックスのポケットからナイフを取り出して誠に飛び付いた。

木下は体が動かせず、ただ見ていた。

誠の叫び声と絢の叫び声が聞こえた。

誠は左肩と腕が真っ赤になった状態で高畠と揉み合いになり、高畠の悲鳴の後、誠も倒れ込み、動かなくなった。

木下の位置からはよく見えなかったが、高畠の腹の辺りが赤く染まっているのを確認した。

その後二人の男(元と暁生)に発見された。


246の最初へ 246 41 246 43 246の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前