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姉の匂い
【姉弟相姦 官能小説】

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第四章-3

 しかしある日の事だった。
 翔太は朝学校に行く途中、電車の中で痴漢の現場を見てしまった。
 既に他人に全く興味が無くなっていた翔太は特に気にもせずに無視しようとしたが痴漢されている子を見て一瞬、驚きで体中に衝撃が走るのを感じた。
 なんと痴漢されている子の顔は姉の結衣に瓜二つだった。
 しかも必死に痴漢から逃れようとしている困った表情まで結衣にそっくりだった。
 翔太は無意識のうちにすし詰め状態の車内を強引に進み二人の間に立ち痴漢の顔を思いきり睨み付けていた。
 痴漢は一瞬睨み返したが翔太のあまりの表情に、すぐに気まずそうに逃げ出した。
 今まで満足に喧嘩なんてした事が無い翔太は内心ホッとしてから改めてその子を見た。
 するとその子も翔太が痴漢を追い払ってくれた事に気付き、少し恥ずかしそうな顔で微笑みながら頭を下げた。
 そんな表情まで結衣に似ていて翔太は完全に頭が混乱してしまった。
 しかし必死に頭を整理して、なんとか声を掛けなければもう二度と会えないかも知れない、でもなんて声を掛ければいいのか……と迷っているうちに電車は駅に着き、翔太は人の流れに呑まれてその子を見失ってしまった。
 必死にその子を探したが完全に見失ってしまい翔太はもう諦めるしか無かった。
 ちょうど乗り換えの駅だったので仕方無く電車を降りため息をついたその時

「あのぅ……」

と聞き慣れない声がして翔太は後ろを振り向いた。
 するとそこにはさっきの子がすぐ後ろに立っていた。
 翔太は驚きの余り振り向いた姿勢のまま、ただその子の顔を見るしか出来なかった。
 すると
「さっきはありがとうございました」
と礼を言い頭を下げたが驚いた顔で振り向いたまま立ち尽くしている翔太に何か様子がおかしいと思い
「あのぅ、大丈夫ですか?」
と言うと翔太は突然ボロボロと涙を流し始めた。
「えっ、どうしたんですか?」
 予想外の翔太の行動に驚いてそう言うと翔太は我に返り
「ごっ、ごめん、急に……」
 気を取り直して涙を拭きながら翔太はとりあえず少し話がしたいと二人で人があまりいない所に移動した。
「さっきはありがとうございました」
「あぁ、大丈夫だった?それよりごめん、急に泣いて、変な奴だと思わせちゃったかな」
「いえ、そんな事無いですけど、……何かあったんですか?」
 そんな話をしながら翔太はどう話せばいいか考えた。
(声はちょっと違うんだな、ってそんな事よりどう説明したら……しかも連絡先も聞きたいし、ちゃんと理由を話せばもしかしたら……)
 そう思い
「あの、ちょっと俺の話を聞いて欲しいんだけど……時間あるかな?」
と言うと時計をチラッと見て
「はい、大丈夫です、私も気になるし、あっ、私〇〇由紀っていいます」
と笑顔で言った。
(由紀ちゃんか、笑顔までそっくりだ)
 そんな事を思いながら翔太も自己紹介をした。




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