俺だけの晴菜-7
晴菜・・・
いきなりは、やめて。
ほんとに、俺我慢できないから・・・
「ね。匂いかいで。もうタバコくさくないよね?」
そういった晴菜を抱きしめて壊さないように気を使いながら
俺は晴菜の首筋に顔をうずめた。
「うん。良い匂い」
数年前から俺の使っているシャンプーの銘柄を聞いてきて
おそろいにしている晴菜。
俺の匂いだ。
思えば・・・
晴菜はもうずっと昔から
「俺のもの」だったような気がする。
俺のにおいのする晴菜は俺の選んだパジャマを着て
俺に抱きついていた。
「俺の匂いだ・・・・」
シャンプーの匂いをかいでいたはずの俺は
そのまま晴菜の首筋にキスをしていた。
「純にぃ・・・?」
やばっ
とまんない
25年間の恋愛経験なんて
16歳の高校2年生の好きな女の子の前では何の役にも立たなくて
冷静でいようとして時間を置いたはずのシャワーも
シャンプーの匂いを引き立たせただけで
俺は晴菜に今までの人生で1番だと言い切れるほどの
欲望を感じていた。
「純にぃ・・はんっ」
急にオンナのつやっぽい声がして
俺は煽られるはずが逆に目が覚めた。
落ち着け!がっつきすぎ!
晴菜に心の準備をさせてやれ!
今は晴菜を抱くときじゃない。
自分の気持ちを伝えて
晴菜にこれからどうするか決めてもらうときだ。