美咲【2】〜8月21日(水)〜-4
ダメだ。このままじゃ力で押し負けてしまう。
「私を、殺したらっ、隼人は、どう思うかなっ!」
「喜ぶに、決まっています!」
「そんなわけ、ないでしょっ!…くあぁっ!?」
早くも力負けしてグラウンドに倒れ、ワーグナーさんは性剣を振り上げた。
「命だけは、奪わないであげますっ!」
振り下ろされる性剣。
「ぎゃぁぁぁぁっ!?」
右の足首に、ズブリと性剣が突き刺さる。
もう死ぬのかな……せめて隼人に中出しされてからがよかったよ……。
「はぁっ、はぁっ…」
ワーグナーさんは不可視の性剣を捨て、どさりと倒れた。
「ひぃ、ひぃ…ワー、グナーさん……?」
返事はない。どうやら気絶したようだ。
「セクスキャリバー……お願い」
セクスキャリバーを可視化し、傷を負った足首へと突き刺した。
「んっ」
チクリと一瞬の痛みの後、足首の傷は綺麗さっぱりなくなっていた。
進化した私の性剣セクスキャリバーは、時間を巻き戻す力を得た。
限度はあるかもしれないけど、人体の時間を戻し今のように傷を癒すような真似事もできるのだ。
「美咲!」
どうやってここにいることを知ったのかわからないけど、今になって隼人がやってきた。
その左手には服――ワーグナーさんのもの?――を持ち、右手には
・・・・・・
不可視の性剣が握られていた。
「えっ……?隼人、その、剣……」
「ああ……性剣・クサナギノペニスだ」