美咲【1】〜8月20日(火)〜-1
「はぁ、はぁ……」
隼人にキスをされてからというもの、激しい動悸が治まらない。
体中が熱くて、まるで隼人に視姦されている気分になる。
それにさっきからずっと、視界の端に変な物が映りこんでいる。まるで、剣のような……。
「どう、しちゃったの……私……」
ショーツに手を触れてみると、おしっこでも漏らしたかのように湿っていた。
私、隼人にキスされただけで、感じちゃったの……?
「隼人……」
ダメ、隼人のことを考えたらまた体中が熱くなってきた……。
前はそんなことなかったのに、どうして……?
私、いつからこんないやらしい娘になっちゃったの……?
「あ、やだ……」
自分でも気付かぬうちに指でショーツを擦っていたことに気付き、指を止める。
「だい、じょうぶ……落ち着いて……」
そう自分に言い聞かせる。
何か別のことを考えるのよ。そう、例えば今夜のおかず!おかず……おかずといえば、隼人は私をおかずにしてくれたことはあるのかな……。
バレていないと思っているのかもしれないけど、隼人ってばいつも私の胸を見てニヤニヤしてるんだよね。さっきもそうだったし。
あ、やば、また熱くなってきちゃった。
「何か……別の……」
ちらり。視界の端にある物に目を向ける。
綺麗な形をした剣だった。剣にも色々と種類があるのは知ってはいるけれど、私が知っているのはその程度であってどういった種類があるのかまではわからない。
――セクスキャリバー。
でも、どういうわけかこの剣の名前だけは知っていた。ううん、どうしてか頭に浮かんだ。
隼人にキスをされてこの剣が視界の端に映った瞬間、はたまたどういうわけかこの剣に関する知識が流れこんできたのだ。
この剣――セクスキャリバーは、私の夢――隼人のお嫁さんになること――を叶えるための性剣。
そのためには、性剣を持つ他の娘を……。
「美咲」
唐突によく知る声で名前を呼ばれた。
いつの間にか隼人が私の部屋に入ってきていた。まったく気付かなかった……。
「あっ……」
また体中が熱くなり、私は隼人から目を逸らした。
やだ……どうしてこんなエッチな気持ちになるの……。