美咲【1】〜8月20日(火)〜-4
「はぁ…はぁ…」
頭がぼうっとする。
大好きな隼人にイカされたんだという事実が恥ずかしくもあり、嬉しくもあった。
隼人の彼女となった昨日、いつかはこういうこともするんだろうなとは思ってはいたけれど、まさか翌日にそうなってしまうとは。
願っていなかった――といえば嘘になるけれど、できればもう少し先がよかったかな、なんて思う。
思う、のだが――やっぱりこうなれて嬉しい。
「……今日はもう終わりだな」
「え……ど、どうして?」
「えぇと……ごめん。実は急用ができて……」
「…………」
挿入してくれないことへの悲しさと切なさ。
けれどそれを伝えることは、やっぱり私にはできなかった。
「実は、ホームステイするコを迎えに行かなきゃならなくなったんだよ」
「ホームステイ?そんな話、初耳だけど……」
「俺もさっき聞いたばかり」
「……女の子?」
「まぁ……」
顔を背けて答える隼人。
「浮気しちゃ、やだからね…?」
「し、しねぇよ……多分」
私の胸に大きな不安が広がった。