隼人【1】〜8月20日(火)〜-3
はっきりとした拒絶。
きっと俺のキスに不満を感じて、嫌気がさして、近くにいるのも堪えられないほどに俺のことが……。
「なんだよこれ……」
つい昨日恋人になったばかりで、たった一日で振られちまったっていうのかよ……。
「隼人」
悲しみに暮れていると、父さんの声がした。
「一人にしてくれ……」
「お前に確認しておきたいことがある」
「なんだよ……」
「美咲ちゃんと付き合っているのか?」
どうしてこのタイミングでそれを聞くかね。
俺はごろんとベッドに仰向けに寝転がる。
「……ああ」
振られたかもしれないけど、とは言いたくなかった。それを言葉にしてしまったら、泣ける自信があったから。
「いつ頃から?」
「昨日だ……」
ずっとただの幼なじみであり続けてきたのに、俺が気持ちをぶつけたばかりにその関係も危ういものになってしまった。
「僕は今から非現実的なことを言うけれど、きちんと受け入れるんだよ」
父さんはそう前置きして言う。
「やったな隼人。お前の人生はハーレムだ」