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【青春 恋愛小説】

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6-4

仕事としてなのは理解出来るが、落ち着き払った対応に元は怒りを覚えた。




入れ違いで、鉄弥と真紀が走ってくる。
相当走ったのか、二人の額には汗が滲んでいた。




真紀は泣きはらしたのだろう。
目は真っ赤で、腫れている。




「テツ....真紀ちゃん....」

「げんちゃん!絢ちゃんは...?


「今はもう寝てる。怪我自体は大丈夫。あとは精神的なとこだと....」

「そうか....」




言葉が続かない。

目に涙を溜めながら、真紀は言った。




「元くん......ごめんね.....私も一緒にいれば...」

「何言ってんだ....真紀ちゃんは悪くないよ....」

「....私ね、絢ちゃんから聞いてたの....。放課後、男子に呼び出されたって....。私も着いていこうかって言ったけど....笑いながら大丈夫だよって......」




そこまで言って、真紀が泣き崩れた。
それを聞いた美帆も、声に出さずに泣いていた。

鉄弥は、何も言わずに真紀を懐抱する。




「....てっちゃん、今日は真紀ちゃん連れて帰りな。どうせ、まだ面会出来ねーし....」

「....わりぃな....力になれなくて...」

「....来てくれただけで十分さ」




元は、息の荒い真紀に穏やかな声で言った。




「真紀ちゃん、ありがとう。絢は、大丈夫だから。死んだわけじゃねえし...」

「.....うん.....」

「ね?だから今日は帰ろう。面会可能ってなったら、また来てよ」

「.....うん.....」




言うと、元は鉄弥に目配せした。

鉄弥は、真紀を抱えて廊下の向こうに消えていった。




その後ろ姿を見送る目には、感情の一つも伺えない。





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