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怪我の処置を受けた絢は、カウンセラーと医師に付き添われて個室に移された。
怪我自体は重度ではなかったが、精神的なショックが大きいが為に放心状態で、車椅子を押されていた。
元は絢の側にいたかったが、医師から面会遮断を言い渡された為、廊下の長椅子に座り込む。
笑顔の絢が頭に浮かぶ。
絢から笑顔を消した奴等を、殺そうと思った。
震える手で、携帯を手にした。
暫しの呼び出し音。
「もしもーし!」
美帆だ。
「......もしもーし、元ちゃん?」
「..........み.....みーちゃん....」
声が震えた。
「.......元ちゃん.....どうしたの?何かあった......?」
「.......あ....絢が......絢が......」
元は、振り絞って伝えた。
口に出すだけで吐き気がしたが、出来る限り説明した。
「すぐ行くから!」
その言葉を聞いて、電話を切る。
入れ替わりで、暁生からの着信。