4-1
日曜。
丁度日が昇りきる頃の、池尻。
手を繋いでバス停に並ぶ男女。
「元ちゃん.....ちょっと....眠いね....」
「マジ?ここまでわざわざ歩いてきたのも無駄だったかね...」
「元ちゃんは眠くない?」
「うん。歩いてる間に相当覚めたよ。天気いいしね」
「すごいなぁ....私なんてまだちょっと....」
「ま、寝るの遅かったし」
「うん...」
「それもこれも、みーちゃんが「求めて来過ぎた」せいなんだけどねっ」
そっと耳元で囁かれる。
見る間に美帆の顔は赤らんだ。
「ばかっ...」
「ははっ。かわいいなぁ、みーちゃん」
そう言って、顔を覗きながら美帆の頭を撫でる。
「....へへっ」
元は、美帆のツボを抑えている。
相性がいいとはこういうことなのかと、赤ら顔は改めて思った。
「しっかし、来ねーなーバス。絶対間引いてるって」
「そんなにイライラしないのっ。......あ、ほらっ、来たよ!」