想-white&black-N-2
湯に長時間浸かっていたのと楓さんからの愛撫で熱を帯びた身体に空気が心地いい。
抱き抱えられていた身体をシャワーの前で下ろされるが、特殊な素材でできているらしい床は冷たくない。
思うように力が入らずぐったりしていると、再び背中から抱き締められるように楓さんがぴったりと寄り添ってきた。
「熱そうだな。シャワーで身体を冷ました方が良さそうだ」
ぼんやりと頭の上からどこか楽しそうな声がする。
その意味を理解する前に楓がシャワーを手に取ると勢いよくぬるめのお湯を噴出 させた。
「あっ!」
楓の脚が絡むように私の脚を捕らえると左右に大きく割り開かれ、手にしたシャワーを脚の間に当ててきた。
「あっ、やだぁ……っ」
突然の鋭い刺激に反射的に立ち上がろうとしたが、もう片方の手で私の腰をがっちり掴まれて身動きがとれない。
「抵抗するなよ。熱くなりすぎて火照った身体を冷ましてるんだから。まあ別の意味でまた熱くなるかもしれないけどな」
熱っぽい口調と意地悪い愉しげな言い回しに逃げられないことを悟ったが、とても耐えられる気がしない。
シャワーの水圧は強めに設定されていて器用に一番敏感な部分を責めてくる。
「ああ……ぁっ、うっ、くぅ……っ」
感じたことのない直接的な刺激に声を抑えきれない。
逃げられないと分かっていても身体が本能的に腕の中から抜け出そうともがくが、楓さんの力は思ったより強くてただ体力を奪われていくだけだった。
「どうした。肌は熱いままのようだが?」
「そんな、あっ、ダメ……っ」
楓さんは腰を掴んでいた手をそのまま下に滑らせると、すっかり敏感になった花芯を捕らえる。
「物欲しそうにしてるじゃないか」
「あああっ」
強すぎる快楽に思わず背を反らせる。
彼の器用な指先が急激に私を高みへ昇りつめさせた。
「ああ、いい声だ。花音」
満足そうに笑う声がシャワーの水音と共に響く。
「ほら、ここはどうなってるか教えてみろ」
シャワーを止めるとそれを放り投げ、空いた手が胸を覆う。
楓は下から上に揉み上げながら花芯をいじっていた指を秘部へと移動させ、そのまま私の中へ差し込んだ。
「あああっ!」
楓の指が私の内側を確かめるようにゆっくりと動き始める。
「熱いな、お前の中は……」
色気を含んだ声で耳元に囁かれゾクリと鳥肌が立った。
唇から漏れる息すらも今は身体を高める刺激になる。
「ひいっ、ああっ、あっ……」
何度も何度も感じる部分を擦られ、指を中で曲げられ引っ掻かれる。
胸では指先で先端を転がすように弄ばれていた。
逃れたくて、気持ち良くて、腰が揺れるのを止められない。
まるで焦らされるような愛撫は私の欲望を渇くほどに駆り立てていく。
「お、お願い、楓さん、もう……」
「まだだ。もっと俺を欲しがるまではやれない」
「そんな……! もう、もう我慢できないのに……っ」
このまま責め続けられては頭がおかしくなって死んでしまいそうな気すらしてくる。
「はしたないことを口にするようになったな。どうしてそんな女になったんだ?」
「それはあなたが、ああ……っ、あなたの、せい、よ……」
「俺のせいにする気か。それは違うな、花音が俺を誘ってるんだ」
「誘ってなんか、ない……っ、ああっ、もう、お願い、やだ……あっ」
もう自分が何を喋っているのか分からなくなってきた。
ただ今は楓さんに身体中に渦巻いて吹き出しそうな熱を解放してもらいたいだけ。
この時だけはいつも『玩具でも何でもいいからこの人に抱かれたい』と強く望んでしまうのだ。