エピローグ-1
「ふぅ…」
最後の段ボールを床に置き、喉を潤すためにペットボトルに入ったお茶を口に流し込む。
「お疲れさまです、にーに」
「おう。理科ちゃんもサンキューな」
「ねーねに頼まれたとはいえ、あくまで自主的にしているんです。だからお礼なんていりませんよ」
「でももうすぐ受験だろ?受験勉強とかしたいよね?」
理科ちゃんはやれやれといった感じで積まれた段ボールの上に座った。
「あうっ」
「………」
中身が大して入っていなかったらしく、理科ちゃんは段ボールの中にお尻からハマった。
「ぷっ」
「笑ってないで助けてにーに!」
手を引いて理科ちゃんを救出する。
「まったく…あと一秒助けるのが遅かったら、死んでましたよ」
「死なないって」
「ねーねに『にーににレイプされた』って言えば死んじゃいます」
「俺が死ぬのかよ!?」
あれから時は流れて三年。
ここは俺と愛理の新居。
理科ちゃんはもうすぐ義理の妹ってことになる。
まぁ、つまりそういうこと。
「うっふっふっ…理樹(りき)くんを預けたい時は私に言ってくださいね」
「なんで理樹を預けなきゃならない?」
「もう、バカですねーにーには。今までは実家だからよかったですが、これからは家族三人だけで暮らすんですよ?」
「うん?そんなこと理科ちゃんに言われなくともわかってるよ」
「いいえわかっていません!夫婦の営みはどうするんですか?おふたりとも我慢できるタイプじゃないでしょう?」
こてん、と理科ちゃんの頭に軽くチョップをいれる。
「ばーか。中学生がんな心配してんな」
「ま、まさか理樹くんも含めた3Pですか!?」
「やっぱ理科ちゃんは愛理の妹だな」
発想が変態だよ。
ちなみに理樹というのは、先月二才になった俺と愛理の息子のことである。
「まぁ営みはともかく。マジで受験勉強とかしなくていいの?」
「自慢じゃありませんが、私は天才なんです」
「ふーん」
「……これ以上ここにいたら、ねーねに私たちの関係がバレかねないので帰ります」
「いかにもな嘘をつくな」
成長が著しい理科ちゃんのおっぱいを揉みたいとは何度も思ったが、実際に揉んだことはまだないぞ。
愛理も多少大きくはなったが、まだ理科ちゃんの域には達していないしな。