第十話〜制服〜-2
しかも愛理、前に俺が言っていたことを覚えていたらしくて黒ストを穿いている。
セーラー服じゃないのが残念ではあるけど、黒ストだから許す。
「ここが先輩の高校ですかー」
どうやら他校の後輩という設定らしい。
無難に同じ高校にしとけよという話である。
「なんだかラブホテルみたいですね」
「仮にも学生が通う建物を指して『ラブホテル』はねーよ!」
「毎放課後に響き渡る、男女のいやらしい声」
「そんな噂すら聞いたことがないぞ!」
まぁ、してるやつはいるんだろうけど。
というか俺たちも今からそのつもりなんだけど。
「ひ〜ろき、セックスしよっか」
「90年代のドラマのヒロインみたいに誘うな」
しかも結局そのヒロインと結ばれなかったし。
「よく生まれる前のドラマのこと知ってたね」
「有名だからな。幼稚園の時に二度見した」
「幼稚園!?そんな小さい子が見る番組じゃないよあれは!」
「ちなみに俺がリアルの女体に興味を示した最初で最後の時期な」
「どんな幼稚園児だったの!?っていうかそれが最後なら、私の体には興味ないってことになっちゃうよ!」
「性的な意味で興味を示したのは愛理だけだ」
「それは喜ぶべきなの!?」
そんな夫婦漫才の後、俺たちが向かったのはいつも通っている教室だった。
「ひゃあ!?」
後ろからガバッと愛理を抱きしめる。
「ここで…するの…?」
「ああ。ここでしたい」
「ん…いいよ」
顔だけをこちらに向け、互いの唇を重ねる。
「ふふ、見つかったら大変だね」
「大変だな」
もう一度唇を重ね、愛理の口の中に舌を進入させる。
「んんっ」
愛理も対抗して、俺の口の中に舌を入れてくる。
「んちゅ…れら…」
互いに目を閉じず、見つめあいながら舌を絡めあわせる。
「んちゅ…弘樹、恥ずかしいから目閉じてよ…」
「れら…なら、愛理が閉じればいい…」
「んちゅ…やだよ…れろ…弘樹の顔、見てたいもん…」
「れら、んちゅ…俺だって見てたい…んちゅ…愛理のこと…」
「ん…はぁ、はぁ…」
互いの口を解放し、愛理は机の上に座った。
「ね…いれて」
「で、でも俺『好き』って言ってないぞ?」