第九話〜気持ち〜-8
「え?好きっていうのとは違うんじゃないか?」
「どうしてそう思うの?」
「いやほら、ただセックスしたいだけ…だと思うんだけど」
「好きな人と繋がりたいって想うのは、普通のことだと思うけど?」
不思議そうな表情をする愛理。
「そうなのかな…」
うーむ。考えてもわからない…。
「ね、好きって言ってよ」
「でも俺、これが『好き』って気持ちなのかわからないよ…」
「だから好きなんだって。ユー告白しちゃいなYO」
そんな軽い気持ちで告白できるか。
「縁側でお茶をすすりながら『いい天気だねー』なんて言い合えるのもお互いが好きあってるからなんだよ。そういうの憧れなんだよね」
「縁側セックスか…ありだな」
「誰もそんなこと言ってないよ!というか弘樹、さっきから口を開けばセックスセックスって…そのことしか頭にないの?」
「年頃だから当然。そういう愛理こそ、普段はエロいこと考えてるんじゃないの?」
「う…否定はしない…」
まぁ、なんだろう。
いくら考えても自分の気持ちはわからないけど、愛理と離れるのはイヤだ。愛理が他の男と話しているのを見るのもイヤだ(そういえば見たことないけど)。
俺、独占欲強いのかな…。
「好きかどうかはわからないけど、その…デート、しない?」
「うん。喜んで。弘樹が『あ、俺あいつのこと好きなんだな』って思えるよう、私も努力してみる」
「ああ…」