第三話〜疑惑〜-2
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『ごきげんよう弘樹様。レンとは上手くやっていますか?』
一ノ瀬さんにしては短い文の手紙が届いた。
いやそれより、一ノ瀬さんにレンレンのことを聞かれたのって初めてだな。
『聞いてるかもしれませんが、友達になりました。
一ノ瀬さんはレンレン(←あだ名です)の病気のこと、どう思ってます?』
病気というのは、もちろん中二病のことである。
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『その呼び方はやめてあげてください。それから、レンは病気ではありませんよ』
ふむ。もしかしたらレンレン、一ノ瀬さんの前では普通なのかな?あるいは『中二病』という言葉を知らないのか。
『一ノ瀬さんはケータイ買わないんですか?』
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既に日常と化したいつもの昼休み。
「弘樹に報告があるわ」
「お、なんだ?新作のエロゲーでも買ったのか?」
「あなたはエロいことしか頭にないの…?」
「人を変態みたいに言うなっての」
年頃なんだから許してくれよ。
女の子がどんなエロゲーをしてるのか気になるじゃん?そしてエロゲーをしながらオナニーしてるのかなぁとか考えると楽しいじゃん?
「で、報告って?」
「彼女にケータイをプレゼントしたわ」
「やったな。んじゃ、番号とか教えてくれるの?」
「えぇ」
レンレンは赤外線で番号とアドレスを教えてくれた。
「彼女は私の仲間に命を狙われている。だからそのデータを口外してはダメよ」
「はいはい」
おっぱい見せてってメールしたら見せてくれるかな。
うわやっべ、興奮してきた。
「何をニヤケているの。撃つわよ」
レンレンは机の中に手を突っ込んだ。
そんな所にモデルガン隠してるのか。誰かに見つかったら没収されるぞ。
「早速あとでメールしてみる」
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昼休みが終わって五時限目が始まる直前、俺は一ノ瀬さんにメールを送った。
『レンレンからアドレス教えてもらったので、早速メールしてみました!
記念におっぱい見せてください!』
ふぅ、と一仕事終えた後のように額の汗を拭き取る(汗出てなかったけど)。
「前に一度成功…いや、失敗か。とにかく成功してるから、今回も成功するはず」
などと一人でぶつぶつ呟いていると、何かが頭にぶつかった。
「いたっ、なんだ?」