第二話〜訪問〜-4
「俺がお前を襲うと?」
「あまりに『誰もいない』部分を強調していたものだから」
被害妄想乙。強調なんてしてないっての。
「安心して。予備の弾も持ってきてる」
小さい袋に入った大量のBB弾を見せてくるレンレン。
全然安心できません。
「まぁ上がれよ」
「襲わないと誓ってくれるなら」
「襲わない。自分に誓って」
「自分に誓ってどうするの…まぁいいわ」
レンレンは転校初日の時のように堂々と、真っ直ぐに居間へ向かった。
「なぁ。今さらなんだけど、何をして遊ぶんだ?」
「ゲームに決まってるでしょう」
決まってるんだ…。
「ゲームって例えば?ツイスターゲームとか?」
「ゲームと聞いてツイスターゲームが浮かぶなんて、さすが変態としか言いようがないわね」
なんでツイスターゲームって言ったぐらいで変態なんだよ。お前の頭の中どうなってんの?
「そうではなくて、テレビゲームのことよ」
「ああなるほど。んじゃ、俺の部屋に行くか」
「えぇそうね、なんて言うと思ったら大間違いよ。私をそこらのビッチと同じにしないで」
「だから何もしないっての」
童貞のチキンっぷり舐めんな!
「ゲーム機は俺の部屋にあんだよ」
「持ってくればいい話じゃない」
「そうだけど…めんどくせ」
「はぁ、女性を誘っておいて自分勝手ね」
いやいや誘ってないし!自分勝手なのもレンレンのほうだし!
「まぁいいわ。いざというときは殺せばいいんだもの」
さらりと怖いこと言うなよ。
レンレンって可愛いけど怖いんだよな。水鉄砲の件もあるし、マジで撃ってきそう。
「ここがあなたの部屋ね」
「おう」
部屋にあるのは睡眠用のソファと液晶テレビ、パソコン、それと本棚一杯に漫画本やらラノベやら様々なゲームが並んでいる。それだけ。
「まずはお決まりのゴミ箱チェック」
「なんのお決まり!?」
俺の制止も聞かず、レンレンはゴミ箱の中を覗きこんだ。
「中には精液まみれの大量のティッシュがあった。なるほどイカ臭いと思っていたらこれか」
「捏造すんな」
来るって知ってたからゴミ箱の中身は処理したっての。別にやましいゴミはなかったけどな。
「それより女の子が『精液』とか言うなっての」
「えっ、あ…」
自分の失言に気付いたらしいレンレンは、顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。