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アンバランス×トリップ
【ファンタジー 官能小説】

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巡り巡る世界-3

「避けるなよっ!」

 アースは怒号と共に金色の魔道弾をゼインに投げつける。

『グオアッ!』

 避けるか!と答えたであろうゼインは、その魔道弾に爪を振り下ろした。

バヂッ ブシュウッ

 爪と魔道弾が衝突し激しい火花が散った後、魔道弾は霧散して消える。

「……ふうん」

 アースはにやけた唇を舐めて更に魔道弾を作っていく。
 数は5個、それは金色に輝きながらアースの周囲に浮かんでいた。

「行くぞ」

 5個の魔道弾は一斉にゼインに向かい、ゼインはそれをジャンプで避ける。

ドン ドオン

 2個の魔道弾は地面に激突。
 残りの魔道弾は軌道を変え、土煙の中から飛び出してゼインを追った。

『グッ?!』

 迫ってきた1つを手の甲で弾いたゼインだったが、触れただけで全身が痺れて硬直する。
 さっき触った時は大丈夫だったのに、性質を変えてきたらしい。
 そのゼインに残った2個の魔道弾が直撃した。

ドドオッ バヂバヂィッ

『ギャウッ』

 背中に2弾くらったゼインは勢いのまま地面に激突する。

「やだっゼイン!?」

 魔物形態のゼインなら勝てると思い込んでいたカリーは、顔色を変えて身を乗り出した。

「大丈夫だよ。手加減してっし」

 キャラはカリーの肩を引いてポンポン叩く。

「そうなのぉ?」

 さっき容赦なしだと言ってたよね?とカリーは首を傾げる。

「……多分……」

 言ったは良いが自信が無くてキャラはそろっと視線を泳がせた。

「ふえぇ〜ん……ゼイン〜」

 心配だが助太刀に行こうもんなら大怪我しそうで、カリーは手すりにしがみついたまま情けない声を出す。

「あ……マジ、大丈夫。助っ人登場だ」

 何かに気づいたキャラがゼインの方を指差す。
 その先にはもうもうと上がる土煙の中で身体を起こすゼイン。
 そのゼインに黒い影が駆け寄って、ひょいっと頭の上に乗った。



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