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「あ......うん。お邪魔します!」
「はは。あ、てっちゃん帰りにうち寄って、真紀ちゃんと一緒に帰ったら?」
「あ、そうだな。絢ちゃんごめんね、いつも妹が世話になって」
「大丈夫!独りでご飯食べてもつまんないし!真紀ちゃん勉強教えてくれるし!」
「真紀が?へぇ〜」
「真紀ちゃん頭いいんだね。兄貴に似なくてよかったな、マジで」
「うるせー!」
元にそう言われると、真紀は少し顔を赤らめながら口角を上げた。
「へへ...そんなことないです...」
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正門前で妹達と別れてどれ程経ったか。
世田谷通り沿いのバス停に立つ、ヒマそうで、且つだらしない高校男児が二人。
「てっちゃん」
「.....ん?」
「バスさ、ぜってー間引きしてるよな。全っ然来ねえし」
「.....んー...」
「.....てっちゃん?どした?」
「いや.....あのさー...」
「なんだよハゲ早く喋れよ俺はヒマじゃねーんだ」
「うん...」
「(えっ、スルー...?)」
「げんちゃんから見てさ、俺の妹って...真紀ってどうよ」
「...は?」
「だから、真紀って、女としてどうなのかなって」
「...なにそれ。あ......もしかして妹を女として意識しちゃってる的な?」
「ちげーよ!」
「マジ勘弁。俺そういう趣味ないっす」
「違うちがう!なんつーかさ、んー...客観的に見てあいつってどうなのかなって」
「なんで急に」
「ちょっと前さ、同級生の男子に告白されたって言っててさ」
「ほう」