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【青春 恋愛小説】

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1-2

「げんちゃん、今日も手ぶら?」

「あぁー」





そういいながら元は両手で自身の胸を隠した。




「つまんねんだよオヤジ」

「....てっちゃん、折るよ?」




鉄弥は中学生の頃に元に突っ掛かって、前歯と右腕を折られたことがある。
今となっては二人の良いネタだが、その時鉄弥は心の底から誓った。




“二度と元と喧嘩しない”




「....冗談だよ。...あれ、てっちゃんビビッた?」

「うるせーなー!だいたいさぁ...」




正門を抜けて二人で騒いでいると




「兄貴!テツくん!」




まだ幼さが残る女の子が二人、駆け寄ってきた。
1人は快活に声を上げて、一人は控え目にその後ろを追いながら。




「兄貴、テツくんと遊びにいくの?」

「ああ」

「ご飯は?」

「あー...いらねえかな。適当に食って帰る」

「分かった!あ、このまま真紀ちゃんうちに来るんだけどさ、一緒にうちでご飯食べてもいいよね?」

「好きにしな。でもさ、絢はいいだろうけど真紀ちゃんは遅くなって大丈夫なの?」




元が軽く覗き込むように伺う。





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