俺にとっての晴菜-21
雄二は俺のほうを一切見ないで
次々と話しかけられる晴菜を見ていた。
「んなこと考えてんの?」
雄二は胸ポケットから携帯の灰皿を出して灰を落とした。
「ま、ここ数日、こんな考えが頭をめぐってる」
「純も年取ったな」
そういうとタバコを吐き出しながら笑った。
「純、彼女は?」
「いるよ。一応な」
「へ〜・・・彼女がいるのに休日は晴菜ちゃんが優先?
昔と変わらないね〜
それってさ?昔から純の中では晴菜ちゃんが1番なんじゃないの?」
「・・・・・」
間宮との都合のいい関係は雄二には言えなかった。
ここで雄二に、俺は彼女と休日は会わないし割り切った関係だといえば
それはそれでまた俺の恋愛について説教されそうだった。
晴菜が1番・・・・
それは紛れもなく事実で・・・
それは妹とか間宮とは休日に会わないとか
そんなことは本当に関係なくて
俺の中では理屈抜きで晴菜は1番だ。
それは
自覚するとか無意識とか
そんなことじゃなくて
晴菜が生まれた瞬間から俺の中では
一生、晴菜が1番なんだと思う。
それが
兄という感情であろうと
たとえ・・・・・
愛しているという感情であろうと・・・・