俺にとっての晴菜-20
「妹だと思っていた晴菜が急にオンナに見えるときがあるんだ。
おれ自身混乱してる。もう少し時間が必要だよ。
俺がどう動くにしてもな」
「オトナだね〜!純にぃは!」
はっ!と吐き出すように雄二が言った言葉は
皮肉にしか聞こえない。
「純さ?いい恋愛してこなかっただろ?
自分を抑えて隠して傷つかない恋愛しかしてこなかったんじゃね?
本当に誰かほかの男に喰われちゃうよ?」
おいおい・・・・
高校教師が自分の勤務先の校内で言うせりふじゃないだろ。
「どっちにしろ、今まで大事にしてきた妹は、大事にしていきたい」
「ふ〜ん」
そういいながら雄二はタバコに火をつけた。
校内は禁煙じゃないのか?
いいのかよ?教師が廊下でタバコを吸って!
「それにさ?考えてみろよ?」
「あ?」
「俺たち楽しかったじゃん。高校時代。何をやるにも楽しくてさ。
俺もお前もいろいろな女の子と遊んでさ。
子供だったけどたくさん恋愛してさ・・・・」
「まーな」
「俺が手を出したら、晴菜は同年代の男との楽しい恋愛をするチャンスがなくなるだろ。一気にオトナの恋愛に踏み込んじゃうだろ。
それって、もったいなくね?
あの時代しかできない恋愛を俺が奪っていいのかな?」