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FATE
【青春 恋愛小説】

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FATE NO.1-1

桜が咲き乱れる四月を迎えた府立取城中学校。
どこにでもありそうな、普通の雰囲気漂うその中学校に「山岡俊(やまおかしゅん)」はいた。
彼は15才、この春で中学3年生だ。身長は142センチ、超小柄な男だ。
そして今日は始業式・・・。


「・・・んん?あぁ・・・そーいや今日から始業式・・・って、もう8時15分?ち、遅刻だ。」
オレはベットで独り言をつぶやくと、慌ててそこから出て、すっかりくたびれた制服に着替え、そして即座に玄関に向かった。「俊、ご飯は?」
とオレが靴を履いてると母の声が台所から響くがそれどころじゃない。
母の声を無視し朝飯抜きで家を飛び出した。
オレは全力疾走で学校に向かった。
するといつもなら15分はかかる道をその半分以下の時間ですませれた。
それもそのはず。山岡俊ことオレは陸上部だからだ。得意な種目は3000メートルで最近の大阪の大会でも念願の1位をとったのだった。

学校につくと、校舎前の掲示板に紙が貼られていた。人がたくさんいる。その人だかりを見て気がつく。
「そうだ、始業式前にクラス替えがあるから遅刻もクソもねぇんだった・・・」
オレが落ち込んでいると、後ろから蹴りが飛んできた。思わずオレはぐらついた。
「後ろが甘いね〜、俊くん〜。いや〜にしてもやっぱお前って童顔だなぁ。彼女作れよ〜お前が本気になりゃ絶対彼女の一人や二人、楽に作れるぜ?」
オレを蹴ってきたのは小学校からの腐れ縁の親友「川田直喜(かわたなおき)」だ。バスケ部キャプテンで身長も180センチと高く女にモテる奴。
欠点は唯一つ。非常に女癖が悪い。
「いてぇなぁ・・・・・・にゃろー・・・オレはもてねぇんだよ。」
オレが反撃しようとすると直喜がそれを遮るように掲示板を指差して言った。
「げっ、また俊と同じクラスだ」
オレは瞬時に直喜に反撃する気力を失った。
何故か?決まってる。何を隠そう直喜とは小学校一年生から中学校二年生まで全て同じクラスなのだ。
なので互いに「またかよ」って顔を合わせて言ってしまったのだった。
クラスが分かるとオレは直喜と教室に向かった。真新しい教室は空気が澄み切っていて気分が良かった。
教室についてから数分直喜と話していると同じクラスの奴らと思われる奴らが続々と教室に入ってきた。
その時だった。
オレはある一人の女の子に目を奪われた。
髪は肩までで目が凄く綺麗で物凄く可愛くて、そしてとても小さな女の子。身長は150センチもないだろう。
この中学校はオレがかよっていた小学校ともう一つ別の小学校の二校の卒業生しかいない。
そしてその子がオレとは違う小学校と言う事に気がついた瞬間。
「ぁ、小川、お前もオレと同じクラス?」
と直喜がその女の子に話し掛ける。
「ぁ、直喜だ。直喜もクラス一緒なのか〜。ま、よろしく。」
と小川と言われた女の子も直喜に言葉を返す。
しばらくして二人の話が終わってから直喜に即座に聞いた。
「な、直喜の彼女なのか?」
聞いた瞬間、オレは直喜の飛び膝蹴りをくらった。違うらしい。
直喜の話によると彼女の名前は「小川実香(おがわみか)」で、小柄なのに男勝りな性格でとても気が強く、女子バスケ部のキャプテンということだった。
そして中学校に入って今まで彼女を知らなかった男がいた事に直喜は素直に驚いた。


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