best friend-6
ジンジンと痛むふくらはぎをさすりながら、すでに見えなくなった恵の後ろ姿を思い返し、アスファルトに唾を吐いた。
恵といつも一緒につるんでいた彼女の友達、アヤの顔を思い浮かべた。
二人はとっても仲良しで、高校まで同じ所を打ち合わせて受験し入学した。
きっと今から一緒に登校するために、待ち合わせ場所にでも向かうのだろう。
恵同様、私をイジメていたアヤだって大嫌いだけど、二人が並んで楽しそうに笑い合っているのを目の当たりにすれば、たまらなく惨めになってくる。
あんな、イジメをするような卑怯な人間なのに、親友と呼べる存在がいることが羨ましくて仕方なかった。
なんであの女に親友がいて、私にはいないんだろう。
私はやっぱり、恵の言った通り友達なんてできないのかなという不安がよぎった。
だが、ハッと我に返ったように頭をブンブン横に振る。
あんなイジメをするような卑劣な人間にだって友達はできるんだから、私にはもっと優しくて、私のことを一番に考えてくれるような親友ができるはずだ。
私はそう思い直すと、バス停に向かって小さく駆け出した。