best friend-18
『里奈へ
いきなりこんな手紙書いてごめんね。
あの後、すぐにでも里奈のこと追いかければよかった、と何度も後悔しました。
でも、直接話す勇気がどうしても出なくて、手紙であたしの気持ちを伝える形にしちゃってごめんね。
里奈の気持ちに気付かないで、傷つけてしまって本当にごめんなさい。
昨日里奈がいきなり帰ってしまったことで、里奈がテルヒコくんのことを好きなんだと初めて知って、自分が取り返しのつかないことをしてしまったんだと思うと、後悔で眠れませんでした。
里奈とは高校に入って一番の親友、それを失ってしまうと思うとどうしようもなく怖くなりました。
それで里奈と親友でいたいために、テルヒコくんとは別れることにしました。
あたしは彼氏という響きに憧れていただけだったのです。
テルヒコくんのことはいい人だし、好きには好きだけど、里奈と彼とをはかりにかけたら、やっぱり里奈の方が大事でした。
テルヒコくんには“やっぱり友達に戻りたい”って言って別れたから、里奈の気持ちのことはまだ内緒にしておきました。
いつか、里奈がテルヒコくんにちゃんと気持ちを伝えられるまで、あたしは一生懸命里奈のことを応援したいです。
だから、これからもあたしの大切な親友でいて下さい』
手紙は、そこで終わっていた。