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春の空
【大人 恋愛小説】

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春の空-1

今日は、すごく暖かくて、空は澄んでいるのに…、ボクの気持ちはモヤモヤで、空が雨模様に見える…。

2年前だっけ。君とボクは桜の舞う季節に、ボクが今いる場所で、二人で空を見上げた。「あたしね、空が大好きなんだ。気持ちがね、すごく落ち着く。でも、あたしはアナタといる事が一番落ち着くの。大好きだよ」
そう言って、ボクの頬にキスをした。
その時、桜は絵になる程、綺麗に散って暖かい風が吹いた…

あれから2年。
桜が咲き誇る季節になると、君を思い出す。
何故あの時旅立ってしまったんだ?

ボクは今、一人、空を見上げる。


…綺麗な空だ…
さっきのモヤモヤ感は無くなっていた。
君は、大好きな空にいるのか?
出来るとするならば、ボクも空に連れていって欲しい…

君はこの世の中から姿を消し、生を失った。でも、空に君は生きてて、微笑んだ君の顔が、ボクに笑い掛け、話してくる様な感じがする。
「あたしは今、空にいます。アナタの次に大好きな、青く、澄んだ空に。あたしは、空から世界中で一番愛しているアナタをいつも見ているよ」
と。


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