生徒会へようこそ【MISSION'5'生徒会を再建せよ!】-9
「乙たちは、私を軽蔑してる。こんなサイテーな女って思ってる」
「そんなこと」
「あるの。テメェみてぇな奴って言われてるの、私」
宝さんの言葉を遮って早羽さんが続けた。
「そんな風に思われてるのに、戻れないよ」
声色も表情もやんわり穏やかにしているけれど、その瞳は全然笑えてなくて、本当は今にも泣き出しそうで折れてしまいそうだった。
「戻って来てほしいって言ってくれてありがとう。嬉しかったよ」
この言葉で完全に断られたと思った。もう戻る気は無い、そう言われた気がした。
きっと僕らじゃダメなんだ。
「オッさんがあんなこと言うかなぁ」
早羽さんの家の帰り道学校に向かいながら僕らはとぼとぼ歩く。(何せ突然だからね!荷物置いてきちゃったよ…)
「仲間のことあんなに大切にしてるのに…」
会ったばかりの僕にさえ仲間というオッさんが、早羽さんにそんなこと言うなんて考えられない。
「でも、早羽さんは直接本人に言われたみたいだぞ」
「うん…そうなんだけど。なーんか納得行かないなぁ」
「やはり援助交際をした早羽さんを軽蔑したのだろうか?早羽さんが言うように」
「そもそも、援助交際の有無は結局ウヤムヤ…だよね」
「ああ、そう言えばノーコメントって言ってたな」
「本人以外に事実を知ってる人いないかな」
「えぇと確か…援助交際している現場を見つけたのは…」
そうだ!宝さんも気が付いたみたい。
宝さんと顔を見合せ、声を揃えた。
「先生!」
その見つけたっていう先生を探せばいいんだ!
「わぁたなぁべせぇんせぇーい!」
僕たちは次の日学校で渡邊先生を捕まえた。
「げっ、お前ら…何だよ」
先生はあからさまに面倒臭そうにため息を吐いた。その態度、教師としてどうなんだ。
「渡邊先生に質問があります。早羽さんを見つけた先生とは誰ですか!?」
どストライク過ぎるだろ宝さん!
「早羽?…桂木 早羽か?何でお前ら、早羽のこと知ってんだよ」
先生はピクリと眉を動かして、険しい顔になった。
「え、え、ええと、それはそのですね」
僕は早羽さんを知る経緯を話した。ついでに早羽さんが幽霊だってことも、早羽さんが学校に来なくなった理由も。