生徒会へようこそ【MISSION'5'生徒会を再建せよ!】-12
「それでですね、僕達早羽さんに戻ってきてほしくて…。キミさんも小鞠さんも、早羽さんは援交なんかやってないって知ってますよね!」
もちろんと頷く二人。
「ならば話は早いのです!オッさんの誤解を解けば万事解決!あとはオッさんが死ぬ程早羽さんに謝罪すれば元通りに」
「ならない…かも」
テンションMAX、意気揚々と豪語する宝さんを小鞠さんが遮った。
「え、ならない…とは?」
今度は宝さんがぽかんとする番だった。
「ナベっちがあたし達二人に全部教えてくれたってことは知ってるんだよね。その後、あたし達オッくんに伝えてるの。先生の言葉一語一句洩らさずそのまま全部」
「と、いうことは…」
「オツは知ってる。援交などやっていないということ。知ってた上でのあの態度だ」
やっぱりそうだよね。
二人が知っててオッさんが知らない訳ない。二人だってただ眺めてるだけなんてするはずがない。
早羽さんの潔白を二人が知ったなら、どんな方法を使ってでもオッさんに説明してるに決まってる。
「なぜ、それならなぜ…オッさんはいまだにあんな態度を?」
「そもそも、誤解されるようなことしてるのが気に入らなかったのかなぁ」
「さぁ、どうだろうな。早羽さんの話をしようとするたび逃げたりキレたり、散々だったからな」
オッさんは、援交なんてなかったって知ってる。
それなのに早羽さんは、「テメェみてぇな奴」って(話を聞いた先輩たちの言葉を借りるなら)ビッチ扱いされたらしい。その後の撤回や謝りも恐らくないだろうからこんなことになったんだよね。
うーん…、『早羽さんの矛盾してた発言』もずっと気にはなってるんだけど…。
思い出せ〜僕。働け脳ミソ。
オッさんの言葉。
早羽さんの言葉。
人間性とか性格とか…。
うーん、うーん、うーん…。
「あの〜とりあえず、『テメェみてぇな奴発言』の全容教えてもらっていいですか?」
なんだかまだすっきりしない。
足りないとこがあるような気がした。
第三者の目から見た内容を聞いてみてから考えようっと。
僕達は、僕達がまだ生徒会に入る前のことを教えてもらった。
通称(命名僕)テメェみてぇな奴発言。
小鞠さんが基本的なことをゆっくり思い出しながら説明して、詳しいことや付けたし、状況などはキミさんが教えてくれた。
詳細はこうだった。
春休み以降学校に来てないと思われていた早羽さんは、実は一度登校していた。
始業式。僕らの入学式の前日だ。
その日は、阿吽の呼吸のようにみんな朝早く登校すると真っ直ぐ第4多目的室に集まった。