契りタイム-10
シャワールームのバスタブに、ケンジとミカは向かい合って座っていた。ライオンの頭の形をした給湯口から柔らかな湯が流れ出ている。
「熱くない?」ケンジが訊いた。
「大丈夫。ちょうどいいよ。気持ちいい。」ミカは微笑んだ。
「ミカの身体、最高に素敵だった。俺、とっても満ち足りた。」
「ごめんね、あたし貴男に何のアプローチもしなかった。」
「アプローチ?」
「乳首舐めたり、あれを咥えたりしてあげればよかったね。」
「そんなことされたら、俺、きっと保たなかった。」ケンジは笑った。「ミカをイかせる前にイっちゃうよ。」
「そんなに盛り上がってたの?」
「うん。君の身体を抱いた瞬間に、やばっ、って思ったぐらいだった。でも、」ケンジは少し不安そうな顔をした。「君は満足した?」
「想像以上。予想を超えるすさまじさ。」ミカは笑いながらケンジの頬を両手で包み込んだ。「貴男の腕、キス、身体中への愛撫、もうこれ以上の人には出会えないって思ったね。ずっと熱く感じてて、最後はもうどうかなりそうだった。」
「ほんとに?大げさ。」
「マジで。ケンジはあたしとセックスするために生まれてきたんだよ、きっと。」
ケンジは破顔一笑した。「それは光栄だ。でも、俺もそう思う。」