モンスターVSモンスター 中編-4
「奴が転校してきたのは5年の冬だからね。金持ちで我が儘だから欲しいものは何が何でも欲しいんでしょ。女だってそうだよ。前の学校でも一番人気の子を強引にものにしちゃったって噂だからね。犯ったかどうかは分からないけど、きっと犯ったね。この学校に来ても同じだったんでしょ。一番人気の美樹さんをものにすれば優越感に浸れるだろうからね。たくさんの男子が憧れる美樹さんを自分のものにしてさ。」
「デートなんかしなきゃ良かった…」
俯く美樹。
「でも美樹さんだけじゃないんだよ?5年で一番人気二番人気の北条ゆきちゃんと片山忍ちゃんも同じような事されてるし。」
「えっ…?」
自分だけだと思っていた美樹。
「他にも可愛い子は手当たり次第手をつけてるみたいだよね。同じように写真と…、あと金で、ね。」
「!?」
ドキッとした美樹。美樹はセックスされた後にはいつも金を渡された。これで黙ってろよ…、そんな意図を感じる視線をしてポンと渡されている。悔しいがその金を手にしてしまう自分がいた。辛い思いをする代償だと言いきかせて小学生には目のくらむような額の報酬をついつい手にしてしまっている。金を受け取っている事を見透かされたのが恥ずかしかった。
「まぁいいじゃん。貰えるもんは貰っておいた方が頭いいよ。」
「…」
被害妄想かもしれないが、田口の目がまるで売春婦を見ているような目をしていた気がした。
「…いつ…、いつアイツと切れられるの?」
「フフフ…」
ニヤリと笑った田口。
「今でしょう!?」
物真似つきのコンプリートバージョンだ。言い放ってやった田口。
「…」
おちゃらけた田口を見つめる美樹。
(こ、こいつ…助けて貰う分際で僕にムカついてやがる!!)
しかし滑った恥ずかしさに、とてもじゃないが視線を合わせていられない。
「も、もう平気だよ。僕と組んだ時点でもうアイツとは切れたも同然だ。どんな誘いも断っていいよ。」
「本当に?」
「うん。明日の今頃はアイツを大人しくさせてやるからな。」
「…信じるよ?」
「うん。平気だよ。」
先程のスベリギャグの時の情けなさは微塵も感じさせなかった。寧ろ寒気がする程の怖さを感じた。
「僕はお金はあげられないけど、その代わり色んな物を与えてあげられるかもしれないよ…?」
「色んな…もの…?」
「うん。色んなもの。」
田口はニヤリと笑って美樹の太股に手を当てた。小学生が太股に手を当てる事自体ませている証拠だ。
「半年間よろしくね?美樹ちゃん…」
「…」
ちゃんづけに変わっ瞬間、美樹は自分が今度は田口の所有物になったんだと感じた。