ノスタルジア-8
「凛のことは今でも好きだよ。いい女だと思ってる。
でも僕の身の丈に合うのはミチルなのかもしれないな。って思って・・・」
何それ・・・
いい女って何?
いい加減にしてよ・・・
「連絡しなくてごめん」
「・・・・」
「凛?」
「・・・」
「もう1回、抱いちゃだめかな?ミチルを抱いてても凛の身体が忘れられないんだ」
泣くもんか──────────
こんな男のために泣くもんか!!!
あたしは堂々とピンヒールで立ちあがった。
1番お気に入りの洋服を着てきてよかった。
髪をきれいに巻いてきてよかった。
メイクも念入りにしてきてよかった。
すべてがミチルと正反対の自分。
今日のあたしはシンイチのために奇麗にしてきたんだけど
それがあたし自身の武装となる・・・
「ふざけないでよ。ド田舎者」
あたしは最高にきれいな顔で冷笑する。